
「段取り八分仕事二分」の意味!現場で見た4タイプの業者に学ぶ
「段取り八分仕事二分」
という言葉に込められた
真の意味とは
この言葉は「仕事そのものよりも、事前の準備=段取りが重要」という教訓を表しているのです。つまり仕事の成果は段取り次第で決まるという重要な意味があるわけです。本記事では、「段取り」ができる人とできない人の行動の違いと「段取り」のコツや重要性を、現場の実例から解説して明確にしていきたいと思います。
「段取り」が甘いとどうしてもミスが増えて、時間もコストも無駄になってしまいます。反対に「段取り」を重視することで、仕事の効率と精度は格段に向上します。つまり「段取り」こそが仕事の本質なのです。「段取り」が整っているだけで、仕事はもっと早く、もっと正確に終わる。これは現場の体験だけではなく、ビジネス・日常すべてに共通する原則です。
現場で痛感した出来事や、段取りの差が仕事の質とスピードにどう影響するのか、リアルな業者の姿を通して紹介。また分かりやすく説明するために「段取り」が甘い業者と「段取り」が徹底された業者の違いを、現場の実例から解説していきます。
慌てて動く人ほどなぜ作業が遅れてしまうのか、なぜ落ち着いた人ほど成果を上げることができるのか。「段取りの質が仕事のすべてを左右する」という、その本質などもお伝えしたいと思います。
「段取り」がある業者vsない業者
頑張ってるのに終わらない
その原因は「段取り」
にあるのかもしれません
仕事が終わらない原因の多くは、作業そのものではなく「段取り不足」にあります。「段取り」を制する者が、「仕事」を制するのです。
私は現在、警備業に従事しておりますが、以前は建設業の現場で数多くの業者と接してきました。その経験から「段取り力」の差が仕事の結果を大きく左右することを痛感しております。現場では「落ち着いていても仕事が早い業者」と「忙しそうにしているのに、いつまでも終わらない業者」に分かれています。
前者は「段取り」を徹底しているという、あらかじめ作業の流れを想定し、何が必要か・何が起きるかを逆算して準備を整えている。後者は「ああ分かっているょ」と、その場で考えながら動いており、やはりと言うかミスや手戻りが多いようです。
その他、休憩も取らず作業に集中していた業者もいました。しかしその背後には、前日の段取りと準備があったのです。本日の作業を完全にイメージして、ガソリンや部品・もしもの対処まで想定して動いておりました。見た目のスピードではなく、実際に「終わる」ことを意識した「段取り力」の高さを感じたのです。本日の動きを徹底しているという、このような業者もいるのです。
ある業者は現場に着くや否やすぐに作業を始めたが、すぐに重機で水道管を破損、なんとその修理は夕方になってしまったというのです。原因はいつもの悪習慣でもある焦り・段取り不足・賞味期限切れの接着剤でした。こんな単純な見落としも、事前確認があれば防げたはずです。
「段取り」とは単なる準備ではなく、作業全体の流れを読み、効率と安全を両立させるための戦略なのです。「段取り」に時間をかけるということは、仕事の成功に直結することです。「段取り八分仕事二分」それは単なる格言ではなく、現場の真理なのです。

作業一連の流れの4つのタイプ
「段取り八分」が
仕事の質を底上げします
「段取り八分仕事二分」という言葉は、仕事の成果を決めるのは段取りだという真理を示しています。「段取り」に時間をかけることで、作業は圧倒的にスムーズになっていきます。
私は建設業を経て現在は警備業に就いていますが、日々いろいろな業者と接していると、現場での「段取り」の差が如実に現れていることに気がつきます。時間通りに、早く、美しく作業を終える業者とそうでない業者。その違いは「段取り」にあると言えるのです。
業者のタイプは大きく4つに分けることができます。
➀ゆっくりしているが、時間通りに終わる業者
最も理想的。「段取り力」が高く、逆算・準備が徹底されているため、落ち着いているのに作業は正確かつスピーディ。
➁ゆっくりしていて、時間通りに終わらない業者
のんびり見えるが準備不足。作業が進まず、無駄が多く見受けられるタイプ。「段取り」の本質を理解していない。
③忙しくしていて、時間通りに終わる業者
実働は速いが、その裏には前日の段取りや準備がある。見た目に反して冷静に工程を把握しているのが特徴。
➃忙しくしているが、時間通りに終わらない業者
最も非効率。現場での混乱やミスも多く、事前準備がまったくできていない。勢い任せの現場対応が常態化している。
この4つのパターンからも分かるように「段取り力」がすべての成果を決定づけていることは明白です。
もちろん理想的なのは➀ゆっくりしているが、時間通りに終わる業者です。落ち着いているし、「段取り」が徹底されているため、早くて確実で仕上がりもきれいです。彼らは作業前にイメージを固め逆算して工程を組み、想定外にも柔軟に対応できる準備をしております。慌てず適度に休憩もしながら、気がついてみればいつの間にか、作業が完了しているという感じなのです。
一方➃忙しくしているが、時間通りに終わらない業者は忙しく動いているようで「段取り」が甘く、場当たり的にその場で考えているようで、始める準備の前からもぎこちなく無駄が多く、見ていても落ち着きがありません。水道管を破裂させてしまったり、つまずいたりなど、そして接着剤の品質管理まで見落としていた業者もおりました。「段取り」が甘いと、結局時間も労力もかかりますし、一緒に仕事をしている周りの人達もヘコんでしまいます。
その点ゆっくりしているが、時間通りに終わる業者は、早くて確実で綺麗に仕上がっているような気がしますが、いったい何故なのだろうとか思ってしまうのです。それがこのページの趣旨でもあります「段取り」に仕事の4倍時間をかけなさいという意味なのです。
最終までの流れを把握
同じ現場・同じ条件
それでも差が出るのは
「段取り」があるかどうかです
「段取り」が整っている現場は、トラブル対応や時間管理に優れ、結果として高品質な仕事が実現します。「段取り」の有無が生産性の明暗を分けるのです。
前記の4っつのタイプの➂忙しくしていて、時間通りに終わる業者なのですが、驚いたことに本日の作業を最後まで、一気にやりきってしまう業者がおりました。もちろん昼食は無しです。私の場合は、昼食が無いのは勘弁願いたいのですが、この業者は本日の作業を徹底しておりました。
前日から本日の段取りを考え、ガソリン・部品・もしものときの道具や対処など頭にに入れておりました。機械を操作している途中に、じーっとして動きが止まるのです。そして突然「っお、そうだ・・・」とか言いながら、しょっちゅう仲間内に何かを確認・指示しているみたいなのです。本日の最終作業までの流れを頭に入れて、「仕事の流れや突然のでき事にも即座に対処」してのテキパキ作業に休憩無しでも、これはアリかなと関心して見ておりました。
私の見たこの業者なのですが、作業の終わりが極端に早いのです。まるで早く切り上げるのが勲章みたいな感じですが、作業自体も仕上がりが荒い訳でもなく、周りからの苦情もなく、テキパキ作業が気持ち良いぐらいです。私達警備員にはひとりづつ1時間の休憩時間をいただき、3人いれば3時間は二人で三人分の仕事をしなければいけませんが、それも納得できて、気持ちの良いぐらいの手際の良さを感じておりました。このような強者も珍しいのですが、まぁこれはこれで良いのかもです。
ただ違う意味で「こころの余裕」などを考えてみた場合に、私的にはこのような職場で働くのは敬遠してしまいます。私生活や趣味等も生かし「人生を自分の思い通りにしたい」そんな意味では①落ち着いているが、時間通りに終わる業者の方が理想的なのです。
段取りを考えていない業者
もちろん最悪は➃忙しくしているが、時間通りに終わらない業者です。なかには「段取り」を、まったく考えていない業者もおりました。現場につくとすぐに作業、休憩をしないで忙しく仕事をしているのですが、動きを見ていてもぎこちないのです。見た目にはテキパキと動いており、感じは良いのですが手間取っている時間が長いように思います。遠く目に見ても大きな重機が止まっている時間が長いのです。近くにいる警備仲間に聞いてみるも同じことを言っており、作業に入ってから考えているので、警備をしていてもイライラしているようです。
ひとつの例ですが、ある工事で重機が水道管をつまんで、破裂してしまいました。水道管を破裂したのもミスなのですが、しばらくしても分からないので仲間を呼んでいました。到着するも修理はその人に任せて、業者はとりあえずやるべき作業をしていました。さて何度も修理をするのですが、つないだ塩ビパイプがしばらくすると抜けるのです、何度もやり直してもまた抜けてしまいます。なんと原因が分からず、修理完了は本工事が終わるごろの修理箇所を残すのみとなった夕方になってしまいました。
その時に言った言葉が「やっぱり新しい接着剤はにおいが違うねぇ、プーンと鼻をつくょ」「なんだ賞味期限切れかいな」っという会話でした、これは疲れてしまいます。素人目で見ても分かるような極端な悪い例でしたが、やはり「段取り」ができていないと苦労するなーっと思いながら眺めておりましたです。
段取り八分の意味が分かる
光景でした

本日の作業をイメージ
「段取り力」は
センスではなく技術
仕事前に「段取り」にしっかり時間をかける習慣は、業務効率と時間配分を劇的に改善します。「段取り力」は繰り返しで誰でも鍛えられるスキルです。
本日の作業をイメージしているか、していないかの違いだと思うのですが。最終的にココまでやる、そのためには逆算して昼まではココまで、三時ごろまでには仕上げて、不意の出来事にも調整して、明日に備えるられるように時間通りに終わらせるようにしていく。言葉で言うとややこおしく感じますが、「ゆっくり・確実に・ひとつづつ消化していく」という行動を、当たり前のように進めていくことが感じられます。
時間通りに綺麗に確実に終わらせれば、ゆっくりでも忙しくでも良いように思うのですが、「段取り」意識が習慣化してくると、なぜか無駄な動きを省くようになり、自然と早く終わっているようです。現実に業者の作業を見ていてもゆっくりしている業者は、早くて確実に時間通りに仕事を終えているようです。逆にあくせくしていて休憩をしない業者は、仕事が始まってからアレコレ考えております。その都度の思いつきで作業をしているようで、ハタから見ていても落ち着きがないのです。
落ち着いてゆっくりして適度に休憩しているのに、いつの間にか作業が終わっている業者。そして忙しく大きな声を出しながらせかしながら、見た目には「オレがオレが」で頼もしげに見えますが、同じことを何度も繰り返しているようです。そのような対象的な業者を目のあたりに見ていて感じたことがあります。
ある日、警備業で農村の車道で片側通行をしているときです。「車もそんなに走ってねえ」という訳でのんびりと交通整理です。長い道なので遠くまでよく見渡せます。ふっと前方を見ると杖を突きながら一人のおばあさんが、ゆっくりとこちらに歩いてきます。「なかなか来ないな」「まだかいな」とか思って眺めていたのですが、ふと気が付くとすぐ近くに来て居るのです。
この時に「あれ、以外と早いな」「警備業もゆっくりの方が良いなぁ」「ゆっくりだと思うのは自分の思い込みかな」とか思った次第です。そういえば「段取り」の良い業者は、車に道具や部品を取りに行く場合でも、走らないでゆっくり歩いているようです。
休憩する業者
休憩する業者はゆっくりしているのですが、お互いに自分の動きをコントロールしているようです。「今、何であんなことをしているのカナ」っと、不思議に思っていても、数分後になって今の動きが役に立っているのです。先にやるべきことを前もって行っていたのです。お互いに暗黙の了解でさりげなく・無意識に動いているのです。

「段取り」を軽視している
そして後日、近所の仲の良い食品会社の主人と、話していたときのことです。近くで棚の取り付けをしている業者が作業しておりました。その光景を見ていて食品会社の主人が、私にこのように言ったのです。
「あれぐらいのことは自分も出来るょ」
そうなんだ、とか聞いていると
「段取りさえしてくれればね」
うーーむ
だからその「段取り」が仕事なんだって。
【続きの記事】

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2023.10.12
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