
借金から立ち直る人は何が違う?解決ゴールに焦点を合わせる考え方
借金の先
を見たとき
人はまた動き出す
借金から立ち直るには、返済額だけでなく「解決ゴール」と「生活再建」まで見据えることが、再出発のきっかけになります。
借金を抱えていると、どうしても目の前の数字ばかり見てしまいます。
今月はいくら払うのか。
あと何社残っているのか。
次の返済日はいつなのか。
私も、多重債務に陥った経験があります。
ところが、今になって振り返ってみると、不思議なことがありました。
あの頃が、おそらく一番苦しかった時期です。
それなのに当時の私は、
「苦しい、苦しい」
と思いながら、毎日を過ごしていた記憶が、それほどありませんでした。
それは、見ていたものが、違ったからだと思います。
ある時期を境に、借金そのものよりも、
「どうすれば解決できるのか」
「この状態からどう抜け出すのか」
そこばかり見ていました。
少々乱暴な言い方をすれば、開き直ってのイケイケです。
すると不思議なことに、それまで止まっていたものまでが、動き始めたのです。
この記事では、多重債務を経験した私が、あとになって分かったこと
借金から立ち直る人の「見ている場所」について考えていきます。
要約|借金より出口を見る
出口を見た瞬間
人は動き始める
借金から立ち直るには、残高だけを見続けず、解決後の生活へ目線を移すことが、再出発のきっかけになります。
私が多重債務を抱えていた頃、一番意識していたのは「借金の多さ」ではありませんでした。
「どうしたら解決できるか」
ほとんど、それだけです。
今から思えば、かなり苦しい状況だったはずです。
それでも、当時は解決目標しか見えていませんでした。
開き直って動き回り、うまくいかなければ別の手を考える。その繰り返しでした。
借金を解決するだけでは、話はまだ半分です。
ゴールを「借金ゼロ」に置いたままだと、
ゼロになったところで安心して、それまでのお金の使い方へ戻ることがあります。
「見るべき場所」を、もう少し先へ置くこと。
借金のない生活。
急な出費でも、慌てない暮らし。
もう、借りなくても回っていく家計。
そこまで見えてくると、「多重債務という挫折」が、単なる失敗ではなく、生活を作り直す転機に変わってきます。
第1章|借金だけを見ると足が止まる
残高ばかり見れば
出口を見失う
借金から抜け出す方法を探していても、返済額や失敗ばかり考えていると、次の一手が見えにくくなってきます。
借金で苦しいとき、頭の中には数字が居座ります。
「今月あと5万円足りない」
「カードの引き落としが来る」
「また借りなければ払えない」
朝起きても考える。
仕事中も頭の片隅にある。
夜になると、また考える。
これでは、疲れてしまいます。
しかも厄介なのは、借金について一生懸命考えているのに、「解決策」を考えているとは、限らないことです。
「なぜこんなことになった」
「もっと給料があれば」
「あの出費さえなければ」
過ぎたことまで、何度も頭の中へ戻ってきます。
私にも覚えがあります。
しかし、昨日使ったお金を、今日取り戻すことはできません。
見る場所を、少しずらす必要がありました。
返済できない事実を、無視するという話ではありません。
「借入先」「残高」「毎月の返済額」「収入」「生活費」など、現状は一度きちんと見る。
その後です。数字を見ながら、
落ち込み続けるのか。
では、ここから何をするか。
へ移れるのか。
借金から立ち直るとき、
この切り替わりが思っていた以上に大きかったと、私はあとになって感じました。
借金という問題を、一日中眺めていても、出口が近づくとは限らないのです。
見なければならないのは、「問題の向こう側」なのです。
「借金問題」でも、「今月さえ何とかなれば」「いつか収入が増えれば」と考え続けていると、
同じやり方を繰り返すことがあります。
気づかないうちに作られた「思い込み」が、判断や動きを止める仕組みを、こちらで詳しく紹介しています。
2019.10.10
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第2章|解決だけを見て走った日々
苦しさより
「ゴールだけ」が
見えていた
「多重債務の解決」を目標に据えた私は、借金への恐怖より「どう抜け出すか」を、考える時間のほうが増えていきました。
私が、かつて多重債務に陥った頃を思い返すと、不思議な感覚がありました。
たぶん、あの時期が一番苦しかったはずです。
ところが、当時のことを思い出しても、
「毎日、つらくて仕方がなかった」という、印象があまりないのです。
解決することしか、見ていなかったからでしょう。
「こうなったら、やるしかない」
「行きつくとこまで、行ってやれ」
「うーーむ、行きつく先を、見てみたいな」
私の中では、そんな感じでした。
少々ではなく、かなり強引なイケイケになっていたのです。
調べる。
交渉する。
返済方法を考える。
駄目なら別の方法を探す。
そして、一つ終われば次です。
もちろん、すべてが思い通りに進んだわけではありません。
相手があります。
お金もありません。
こちらの希望など、簡単には通りません。
それでも、頭の中にあったのは、
「どうしたら解決できるだろう」でした。
今になって考えてみると、「苦しさを感じる余裕」さえなかったのかもしれません。
そして、少しずつ状況が動き、最終的に多重債務から抜け出すことができたのです。
解決したときには、苦しかった過去を思い返すより、
「とうとうここまで来たか」
という感動のほうが、ずっと強かったのを覚えています。
「解決」という文字が、はっきりと浮かぶも、
「イケイケの余韻」がまだ残っていたのか、終わってみれば、以外とあっけないものでした。
あの経験から残ったのは、借金の金額だけではありません。
人は見る場所が変わると、同じ状況の中でも動き方まで変わってきます。
当時は、そんな理屈など知りません。
ただ必死で、出口だけを見ていた。
あとから振り返って、ようやく分かってきたことです。
第3章|開き直りが動きを変えた
腹をくくると
「迷い」が
ひとつ減る
借金で追い詰められたときの「開き直り」は、諦めることではなく、現実を受け入れて「解決方法」を、探し始める切り替えです。
ここでいう「開き直る」は、
「もう返さなくてもいい」
「好きなようにしろ」
という、投げやりな意味ではありません。
私の場合は、反対でした。
「こうなってしまったものは仕方がない」
「だったら解決するしかない」
と、腹をくくった感じです。
過ぎたことを、何度考えても残高は減りません。
だったら、
今いくらあるのか。
毎月いくら払えるのか。
誰に相談できるのか。
そちらへ頭を使う。
この切り替えによって、「迷い」がなくなったのか、ずいぶんと楽になりました。
人は、迷っている時には、かなり疲れます。
やるのか、やらないのか。
電話するのか、後回しにするのか。
現実を見るのか、見ないのか。
腹をくくると、この迷いが一つ減ります。
私の場合、それが次々と動くきっかけになりました。
ただし、返済が難しくなっている人まで、一人で強引に解決しようとする必要はありません。
「借金相談」「債務整理」「家計の見直し」など、状況によって使える方法は違います。
弁護士や司法書士、公的な多重債務相談窓口へ話すことも、立派な一手です。
相談するというのも、本人が起こす動きです。
誰かに全部何とかしてもらうのではなく、
「この状態を終わらせるために、今日は何をするべきなのか」
そこまで決まれば、昨日とは少し違います。
私が経験した開き直りとは、そんなものでした。
第4章|もう一人の自分が動く時
見たくない所に
「立ち直る」
鍵がある
借金から立ち直る途中では、「お金の使い方」や「思い込み」など、できれば見たくない部分とも向き合う場面が出てきます。
借金を解決するとき、一番しんどかったのは返済だけではありません。
自分の欠点を見ることでした。
なぜ借りたのか。
なぜ足りなくなったのか。
なぜ途中で止められなかったのか。
収入不足など、本人だけではどうにもならない事情もあります。
一方で、私自身には見直す部分もありました。
お金の使い方。
その場をしのぐ癖。
何とかなるだろうという思い込み。
これは見たくありません。
人間ですから、自分を正当化したくなることもあります。
ところが、そこから逃げずに解決する方向へ動き続けていると、妙な力が出てきました。
私は、ブログの中で、それを「もう一人の自分」と、表現しています。
何か、神秘的な存在を言っているわけではありません。
普段は、奥に隠れている「粘り強さ」や、
これまで積み重ねてきた「経験」、追い込まれたときに「無意識に働く力」。
それらが一斉に解決する方向を向いたような感覚でした。
まさに「火事場の馬鹿力」です。
一つ一つ頭で命令していた覚えはありません。
気がつけば調べている。
また考えている。
次の手を打っている。
「頭では分かっているのに動けない」ときもあれば、
反対に一度方向が決まると、驚くほど動けることもあります。
私の多重債務は、そのことを嫌というほど教えてくれました。
「やろうと思っているのに動けない」「同じ失敗を繰り返してしまう」。
そんなとき、頭で考えている自分とは別に、過去の経験や習慣から反応している部分があります。
その仕組みを分かりやすくまとめた記事です。
2023.09.14
【特集】もう一人の自分とは|潜在意識を味方にして人生を変える方法
もう一人の自分とは、無意識に行動や感情を動かす潜在意識のことです。人生が思い通りにいかない原因は、自分の中に潜む「もう一人の自分」=「潜在意識」にあります。本記事では思い込みや心のブレーキに気づき、潜在意識を変え人生を整える方法を特集で解説します。…
第5章|ゼロの先をゴールにする
「借金ゼロ」は
終点ではなく
「通過点」
借金から立ち直る本当のゴールは、「残高をゼロ」にすることだけでなく、再び借りなくても暮らせる生活を作ることです。
多重債務が解決したら、誰でもホッとします。
私もそうでした。
しかし、ここには落とし穴があります。
「借金がゼロになれば安心」
これだけを目標にしていると、本当にゼロになった瞬間、
それまで張りつめていたものが、切れてしまうことがあります。
そして、生活の仕組みが昔のままなら、何かの拍子にまた借りる。
これでは、せっかく苦労した経験が、もったいないです。
借金を完済してゼロへ戻るだけでは、以前のお金の使い方へ、戻ってしまうことがあります。
「多重債務」を繰り返さないために、「金銭感覚」や「借金体」そのものを見直す考え方を、
特集記事でまとめています。
2023.10.01
【特集】「ゼロに戻れば安心」が危ない|借金体質を変えるマインド術
多重債務から立ち直る方法を解説。相談・現状把握・再発防止の習慣まで、「ゼロに戻れば安心」という借金体質を見直し、金銭感覚を変えて人生を立て直す考え方と具体策をわかりやすく紹介します。返済してもまた借金する理由も整理。借金癖克服のヒントも満載もある。…
ゴールを少し先へ置きます。
借金ゼロではなく、
「借りなくても、生活が回っている状態」を見る。
給料が入ったら、何に使うのか。
急な出費があったら、どうするのか。
余ったお金を全部使わず、少し残せるか。
派手な方法ではありません。
私なら、まず一か月のお金の流れを紙に書きます。
そして「余ったら残す」ではなく、「少し残る形」を考えます。
借金を経験した人ほど、お金との付き合い方を作り直す材料を持っています。
痛い思いをしたから、分かることがあります。
「多重債務」を、単なる失敗で終わらせるか、それとも生活を作り直すきっかけにするか。
「ゼロの向こう側」を見始めると、借金問題の意味まで少し違って見えてきます。
まとめ|借金の先にある暮らしを見る
ゼロになった先から
人生は動き出す
借金から立ち直るには、完済だけをゴールにせず、「生活再建」と「その先の暮らし」まで、見据える視点が必要です。
苦しかった経験も、使い方で変わってくる。
借金から立ち直る人と、なかなか抜け出せない人。
その違いを、一つだけで説明することはできません。
「収入」「家族」「借金額」「仕事」「健康状態」それぞれ事情があるからです。
ただ、私自身の経験から一つ言えることがあります。
「多重債務」の真っただ中にいた私は、借金そのものを見続けていたわけではありませんでした。
見ていたのは出口です。
「どうしたら解決できるか」
そこへ気持ちが向いたことで、次にすることを探すようになりました。
そして解決した後、もう一つ分かったことがあります。
「借金ゼロ」を、最終ゴールにしてはいけない。
その先には、生活があります。
お金に追われず、慌てて借りる必要もなく、多少の出来事が起きても踏ん張れる暮らし。
そこまで行って、初めて「あの多重債務にも意味があったのかな」と思えるようになりました。
過去の失敗は消せません。
今日の一手は選べます。
私だったら、残高を眺め続けるより、
「解決したあと、どんな生活をしていたいのか」
そこを紙に一度書いてみます。
意外なことに、その一枚から次にやることが見える場合があります。